「ビタミン」の日本語での発音の由来は?
綴りが同じ「Vitamin」でも、ドイツ語では「フィタミン」、英語では「ヴァイタミン」となり、「ビタミン」とは程遠いように思われます。
「ビタミン」は「Vitamin」をローマ字読みしたものなのでしょうか?
それとも別の言語で「ビタミン(ヴィタミン)」に近い発音をするものがあるのでしょうか?
それとも昔の英語、もしくは一部の地域で「ビタミン(ヴィタミン)」と発音され、そこから輸入された発音なのでしょうか?
是非教えてください。
|||
ドイツ語Vitaminの発音は「ヴィタミーン」ですよ。「フィタミン」ではまず通じないでしょうね。それから戦前の日本で英語と言えばBritish Englishに決まっていました。イギリス英語でvitamineは「ヴィタミン」です。お確かめください。
http://www.oxfordadvancedlearnersdictionary.com/dictionary/vitamin
戦前には「ヴィ」というような表記はなく、発音しやすいように「ビ」と変えられる場合がほとんどでした。Violinもバイオリンですよね。ヴァイオリンにしようなんていうのはごく最近の話です。
|||
Vitamin(e) と名づけたのは、当時フランスで研究していたポーランド系ユダヤ人 Kazimierz Funk カジミエージュ・フンク(フランス名は、Casimir Funk カジミール・フンク)です。もとはフランス語 vitamine「ヴィタミン」です。ドイツ語も英語も関係ありません。
Vitamin の vita は、ラテン語の「命」です。古典ラテン語の発音だと「ウィータ」ですが、近代ラテン語では「ヴィタ」と発音されますから、命名者であるフンク自身の発音は「ヴィタミン」だったはずです。
1910-1920年ごろ英語は今ほど国際語ではなく、英語でも当時は、外来語であり新しい言葉である vitamin を「ヴィタミン」[vitəmin]と発音していたのです。イギリス英語では今も「ヴィタミン」[vitəmin] の発音が普通です。
日本語の「ビタミン」は当時のその国際的な発音がそのまま入って、v が b に訛った形です。
「バイタミン」[vaitəmin] は後に英語綴り字発音に訛ったもので、アメリカ英語ではこの発音が普通ですが、日本がアメリカ英語の文化支配下に入った戦後にはすでに「ビタミン」が定着していたから、改めてアメリカ英語訛り「バイタミン」が入り込む余地がなかったのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿